社外にも学習機会を設けたい。人材育成におけるOff-JTのメリット

企業では人材育成のために、様々な研修や訓練が実施されていますが、それぞれが独立したものではなく、相互に連動したものでなければ、本来の効果は発揮できません。またその内容についても、いわゆる、業務知識やスキルを伸ばすもの、経営や労務に特化して部外講師による講義を中心としたもの、社員同士のディスカッションなど、幅広いカリキュラムを取り入れることで、さらに社員の見識やスキルを向上させます。こういった研修・訓練は一旦職場を離れて実施されることが一般的であり、Off-JT(Off the Job Training)と呼ばれています。なお、反対に職場で行われる研修・訓練のことをOJTと呼んでいます。

さて、Off-JTのメリットは、職場とは異なる環境で実施されることから、改めて自分の知識レベルを確認できることであり、業務とは直接関係なくとも、仕事を進めていく上で、非常に役に立つ見識を深めることができる点です。例えば、業務知識に関する研修であれば、普段の勤務時間の中では、疑問に感じていても調べることができない点や自分の考え方が間違っている点を研修の中で再発見したり修正することは、日々の業務に大きく還元することができますし、他の社員にレクチャーすることも可能です。

反対にデメリットは、研修・訓練の内容を日々の業務に還元する術を知らなければ、役に立たない知識の蓄積になってしまうことです。こういった事態を防ぐために、研修・訓練終了後の報告会を実施している企業もあります。これは、研修・訓練を受けた社員が講師役となって、その内容を職場に還元するものですが、職場に帰った後で人に教えることがわかっていれば、取組姿勢も変わってきますし、受けていない社員にとっても見識を深めるチャンスですから、非常に有効な手段です。